いろいろ大豊作

今年はノリウツギ、コハクウンボク、アオダモ、オオバボダイジュなどなどいろいろな木々の花が大開花していましたが、高山から里山に至るまで秋の実りも大変な豊作となっています。
 
サルナシも大量結実。

雌阿寒のコケモモや、

特にシラタマノキは今まで見たことないレベルで豊作。

そしてミズナラ、植栽10年以下の個体での結実は新記録か。

3人で30分拾っただけでこの量(ミズナラ造林地用)。

落果も2週間以上早く、量も30年レベルの大豊作です。


概して、これまでより小さい個体でも咲き、早く、たくさん咲いて、実りもそれに凖じています。何事かはあまりよくわかりませんが、動物は増えそうですね。とりあえず山のシマリスは忙しそうにしています。
 
20240926 たしろ

北方圏森林管理学

 8月の終わりころ、学部3年生対象の北方圏森林管理学が行われました。月曜から土曜までの長い実習で、今年は総勢19名が参加しました。

初日は帯広駅に集合。マイクロバスで演習林に向かう道中、帯広市内の製材工場を見学し、また足寄町役場で町のバイオマス利用の取り組みについてお話を伺いました。山で木を育てた後の、利用の局面について学びます。


カラマツを中心とした木材を製材し、コンテナ等に加工する工場です。丸太がベルトに乗って裁断されていく過程はすごい迫力でした。
足寄町議会の会議場。カラマツの立派な集成材が目立ちます
木質ペレットボイラーの前で
足寄町は20年近く前に町内産カラマツ材で庁舎を立てたり、エネルギー源として木質ペレットの利用を推進するなど、先進的なバイオマス利用に取り組んできました。

二日目は樹木学実習です。演習林の森を歩きながら樹種の枝葉の識別方法を学びます。
ホオノキ。葉が大きい
最後にこの日集めた樹木34種の同定試験

三日目は広葉樹林とカラマツ人工林、全部で3林分の森林調査を行います。
幹の周囲長測定
レーザー測定器で樹高測定
世界中の森林でこのような地道な作業が行われ、地球規模の炭素動態などを議論する基盤となっています。
土壌の見方や調査方法の解説
帰ってデータをまとめます

四日目は雌阿寒岳に登りました。火山後の植生の遷移の様子などがよく観察できる山です。
登山口のアカエゾマツ林

5、6合目付近から。ハイマツとアカエゾマツ林の境目がはっきり見えます
全員登頂に成功。山頂はやや雲がかかっていました
おまけで、トートバッグと平らなスニーカーで余裕で歩いてたH君
良い子はまねしないでね

5日目、自然林保全区の中を散策し、森の成り立ちや構造などを現地で学びます。

昨日の登山のダメージが残る人たち
最後はタワーの上から森全体を眺めます
この人数だとやっぱり多い


最後に班ごとに森林調査の結果をまとめて発表した後は打ち上げのバーベキュー。翌朝、帯広駅まで送り届けて解散になりました。

実習前の天気予報ではほぼ毎日雨となっていました。どうなることやらと思っていましたが終わってみれば雨だったのは2日目の午前中くらい(あと最終日に帯広に向かう道中は豪雨だった)、雌阿寒登山などは本当に気持ちの良い快晴の中で実施できました。運が良いですね。ぜひまた演習林に来て、できたら研究で使ってください。
2024.9.17 市橋