クマ出没注意

   演習林には色々な仕事があります。そのたくさんの仕事の中に川の水の成分を調べるため,月に一度山奥の川に水を取りに行く仕事があります。先日この仕事のため山へ行きました。最近は日本中クマだらけなので,勿論熊スプレーは必ず持って行きます。のんびりと山を歩いていると,フっと見慣れないものが目に入ってきました。

スケール代わりのマジックは14cm。爪痕もハッキリ。 

歩道はクマもシカも歩きやすいのでしょうか?

熊とエゾシカと私

   雪の上で足跡を目にするのは初めてです。いるんですねクマ…まだ寝てないんですねクマ…。みなさま山に入る時もくれぐれも気をつけましょー。

 2025/12/10 sa

夏目さんの思い出

北海道にある各大学の演習林の技術職員が集まる会議におじゃましまして,29年ぶりに北大檜山研究林に伺いました。

ここは故 夏目俊二さんが名物林長としておられた時分,囲炉裏のある小屋を建てて学生さんと泊まり込みで炭焼きをするなど,里山をキーワードに様々な取り組みをされていて,当時就職したての私もとても影響をうけたところです。いま足寄にある山小屋などは彼がいなければ全く違ったものになっていたでしょう。

道南上ノ国町はどこからも遠く,足寄からは6時間,標茶の京大さんからは9時間,あつまるのも大変でなかなか開催地にならない場所ですが,何年にも渡る某技術職員の熱烈なリクエストによって30数年ぶりの開催となりました。森を仕事場にするみなさんと,思い出の場所でお話ができてとても良かったです。

いま常駐されているのは事務員さんお一人で,苫小牧からの出張で管理されているようですが,黒松内低地帯より南にあって北海道としてはかなり特異な植生をもち,スギやヒバが植わり,夜は海にイカ釣り船の光,自然も文化も大変おもしろい貴重な場所にある大学研究林だと思います。

スーパーに並ぶ山盛り50円のイカゲソで酒をのみながら話した夏目さんの笑顔を思い出しつつ,いまは夏目さんもいないしイカも採れないし昔を知る者としては寂しくもありますが,元気で前向きな若い技官さんたちを見て,場所と時間,人のつながりを考えていました。

檜山開催を熱烈なリクエストで実現し乾杯の音頭をとる井上さん

イタヤはだいたいアカイタヤで日本海っぽい

クマシデやらクロモジやら生えていて本州っぽい

ブナも普通に生えている

割とはっきりとヤマモミジだし

トチも普通に生えている

河原にはクマの足跡

トドマツとスギが並んで植えてある

ブナ林にスギ人工林

北大が研究林になったあとの看板に夏目さんのキャッチフレーズ「里山演習林」が書き足してあって泣けた


スーパーにイカゲソはなかったけどカジカ鍋


本通りのヒメリンゴ並木にヒグマが実を食べに来るので伐採というニュースを見て来たら本当に伐っていた

帰りは当然ラッピのチャイチキだが当時からあったのだろうか


夏目さんの炭俵袋は29年前同じものをもらって足寄の実験室に今も貼っている


 2025/11/29 たしろ

晩秋の風景

 足寄は今週くらいから朝晩氷点下の日が続いています。

今年は盆過ぎには涼しくなったのですが、それから寒くなるまでの期間が長かったようです。過ごしやすくて良いのですが、秋の紅葉はあまりきれいにならないねという話をしていました。

とは言え、気が付けば10月半ばころには近所の山がすっかり赤く(オレンジ?)なっていました。秋晴れの日が続き、本当に気持ちの良い季節ですが、落葉も日に日に進んでいます。

事務所前
秋のヒツジ牧場
林内のオオモミジ
上層木はもう葉を落としています

クマゲラがいました
目がマンガみたいで良いと思う
この時期は虫たちも冬の準備をします。
絶え間なく押し寄せるテントウムシ
ナミテントウに混ざって時々見かけるカメノコテントウ。大きい

よくテントウムシやカメムシが窓の隙間などに集合しますが、他にこんなものもいます。

オツネントンボ
オツネントンボは、以前あしょろ自然史でも紹介されましたが、珍しく成虫で越冬するトンボです。2年前に最初に見つけた時は隙間にもっとびっしりと詰まってて大変驚きました(そして開けてしまった窓をどうすれば良いのか困りました)。

森の中では、
木の根元に何かもやもやしたものがあり…
イモムシが包まれてました
ガの仲間には、このように幼虫が集まり、糸で作った巣にこもって冬越しするものがいるそうです。ふとんみたいなものでしょうか。

これからどんどん寒くなりますね。事務所では暖房を入れ始め、車も冬タイヤに交換されたようです。
近所のツルの家族


2025/10/25 市橋

森林科学入門 夏の北方林コース2025


九州大学基幹教育科目「森林科学入門 夏の北方林コース」が9月8日〜12日に実施されました。今年度は早稲田大学の学生も含む10名の参加がありました。

雌阿寒山登山では標高による植生の違いや溶岩流の影響などを観察しました。


北海道演習林内に生育する代表的な樹木の特徴を学びました。


カラマツ造林の実際,シカによる食害などについて学びました。


老齢林に形成された林冠ギャップを観察しました。


ミズナラの大木の前で記念写真


班別自由研究
ヤエガワカンバの年輪の数と樹皮の厚さの関係

倒木の腐朽度による植生の変化

つるの曲がり強度と部位の関係

成果発表

2025. 09.19 te










北方圏森林管理学2025

 農学部3年生を対象とした北方圏森林管理学の実習が8月25日~30日で実施されました。今年は10名の学生が実習に参加し、北海道演習林がある十勝をフィールドとして、カラマツ人工林の利用や、冷温帯の落葉広葉樹林の生態などについて学びました。

カラマツの製材工場を見学させていただきました

  
樹木学.樹木名を覚えます
天然林の調査

カラマツ人工林の調査


自然林保全区の散策

雌阿寒岳登山.アカエゾマツ純林の見学

期間中は雨に降られることもあり、雌阿寒岳登山では山頂が曇り途中で引き返すことになりましたが、学生たちは1週間通して熱心に実習に臨んでいました。皆様大変お疲れ様でした。

※雌阿寒岳登山、天気が良ければ山頂付近はこのような景色が望めます。参加者の皆様、またの機会にぜひ。

ハイマツとアカエゾマツ

阿寒湖と雄阿寒岳


山頂から温泉コース登山道

2025.09.03 to

林道整備

火山灰でできた演習林内の林道は、短時間に大量に降る雨には弱く、水が流れた部分が深く掘れてしまいます。 放置するとどんどん深く掘れるため、都度、補修作業を行います。




 
フェーン現象が落ち着いたと思ったら、夕立のような短時間に大量に降る雨が続きました。 補修作業はもうしばらく続きそうです。


nanki

暑い夏、スズメバチも元気です

北国の北海道とはいえ夏は暑いです。特に足寄町はフェーン現象で気温が上がり、6~7月には30度を超え、道内一暑い日がしばしばあります。

気温が上がってくると生き物の動きも活発になります。

身近な危険生物であるスズメバチが巣を作り始める時期でもあります。二年前の暑い夏にはスズメバチの巣が多かったのですが今年はどうでしょうか。

実は早速先日の事務所敷地内の生垣を剪定作業中に、2個続けてスズメバチの巣を発見しました。刈り込んだ生垣の周りでスズメバチが飛んでいて、生垣の中に入って行って気づきました。

この生垣の・・・

こんな隙間や・・・
 
別の生垣のこんな隙間にありました(駆除済み)

 

駆除にはハチ駆除用のスーツを身に着けます。ファンが付いてて風は送られますが暑いです。。。

背中にファンが付いてます

 

今年も早速スーツが活躍しています
 

今回見つかった巣は、成虫がまだ女王バチのみだったようで、すんなりと駆除できました。

これからますます気温が上がるとスズメバチ達が元気になり、数も増えます。

スズメバチには気を付けましょう。

2025.07.07 yamauchi