九州大学農学研究院と足寄町との協力協定に基づく講演会
九州大学農学研究院と足寄町との協力協定に基づく講演会が12月2日に開催されました。農学研究院の廣田知良教授からは「気候変動と十勝の農業」について,宮本敬久教授からは「食の未来を考える」という演題でご講演いただきました。気候変動により,十勝の農作物の品質が今後変わる可能性があることや,培養肉や昆虫食などを含めた食の新しい可能性について包括的にご紹介いただきました。
なお,本講演会は新型コロナウィルスの影響で実施を延期していましたが,本年無事に実施できました。実施にご尽力いただいた足寄町役場を始めとした関係者の皆様に篤く御礼申し上げます。
2022.12.05 utsumi
小学校・中学校・高等学校の総合学習
10月11日に足寄高校の皆さん、14日に足寄中学校の皆さん、18日に足寄小学校の皆さんが、総合学習の一環として北海道演習林で林業体験学習を行いました。
ノコギリを使って枝打、除伐、間伐作業をしたり、樹木や自然のことについての話を聴きながら林内散策をしたりと、普段はあまり接する機会のない山での体験は貴重なものとなったのではないでしょうか。
高枝ノコで4m枝打作業を体験(高校生) |
主伐木を育てるための間伐作業(高校生) |
手ノコでの2m枝打作業の体験(中学生) |
しっかりと説明を聴いて安全に作業ができました(小学生) |
小学生は剪定ばさみでも枝打作業を体験しました(小学生) |
皆さんヘトヘトになりながらも、一生懸命に作業を行っていたのが印象的でした。
この体験を通して、山が今までよりも身近な存在となれば良いなと思っています。
体験学習に来られた皆さん、お疲れさまでした!3年ぶりの森林科学入門-夏の北方林コース
9月5日から9日にかけて九州大学の1・2年生を対象とした学生実習が北海道演習林で行われました。前月に実施された北方圏森林管理学実習と同じく3年ぶりの現地開催となりました。
学生たちは北海道演習林や町内に位置する雌阿寒岳をフィールドとして,「植生」や「土壌」,自然と人間関係の関わりについて学び,フィールド調査とデータ解析,グループ討議を行いました。
フィールドを歩く練習 |
演習林で植生や土壌の解説 |
雌阿寒岳登山と解説 |
雌阿寒岳は快晴でした |
班別調査(キノコ調査) |
班別調査(オオバボダイジュの種子散布調査) |
班別調査のプレゼンテーション |
実習のひとコマ(昼食の十勝豚丼) |
期間中は雨に見舞われることもありましたが,学生たちは熱心に実習に取り組んでくれました。参加された学生とスタッフの皆様,お疲れ様でした。
2022/09/30 ogata
3年ぶりの北方圏森林管理学
8月22日から農学部の3年生を対象とした北方圏森林管理学という学生実習が行われました。 ここ2年は新型コロナウイルス感染症の影響で遠隔開催でしたが、今年は現地開催できました。
木材を使う側である帯広の製材工場や足寄町役場のペレットボイラー施設等の見学から、木材を育てる側である演習林内で人工林と天然林について学び、さらには足寄町の雌阿寒岳を登山しながらの天然林における植生の変化まで幅広く回りました。
林内で樹木学実習 |
事務所で覚えた樹木のテスト中 |
オンネトー展望台から雌阿寒岳を望む |
雌阿寒岳のハイマツ帯 |
調査区で樹高計測中 |
自然林保全区を歩く |
林道補修が(一応)完了
北海道は相変わらず天気が悪く、思い通りに外に出られません。 先日の記事で被害をお伝えしましたが、雨の合間を見ながら林道の補修を行いました。使用頻度が高い林道を中心にマイクロバスの走行ができるようになりました。今週の3年振りに行われる学生実習に間に合うか不安でしたが、無事に学生を迎えられました。
路面補修後(仲和地区) |
足寄のナイヤガラは埋まりました( | 美盛地区) |
路肩補修しました(仲和地区) |
今後も天気は分かりませんが、安全に利用できるように、着実に補修を進めていきます。
2022/08/23 yamauchi
天気がパッとしない夏
今年の足寄の夏は天気が悪い日が多いです。雨が降らないにしろずっと曇ってたり,山だけ雨がシトシトしたり,洗濯物がパリっと乾かない日ばかりです。長年演習林の山に携わってこられたF雄さん曰く「こんな年は今までない…」とのこと。更に先日は3時間で65mmの大雨が降り全国ニュースにもなりました。九州や本州から思えば大した量ではないかもしれませんが,比較的大雨の少ない北海道では大変な雨量です。
雨が上がって林内巡視に行くと,演習林の南半分で林道被害が多くありました。
路面侵食(美盛地区) |
足寄のナイヤガラ…を思わせる路面侵食(美盛地区) |
路肩侵食(仲和地区) |
幸いなことに,災害復旧を要求しなければならないほどの被害ではありませんでしたが,通行困難な道も多くあります。
今月中旬から3年ぶりに行われる学生実習を始め,色々な方面から研究に来られる方々に安心して演習林を使ってもらえるよう,フル動員で林道補修を進めていきます。
2022/8/3 sa
公開講座「十勝の森と樹木」②
公開講座「十勝の森と樹木」
7月3日(日)に公開講座「十勝の森と樹木」を実施します。申込み締切は過ぎていますが、まだ定員に空きはありますので、よろしければご応募ください。
ゆっくり森を歩き、樹木の葉を採取しながら森を歩いて樹木の見分け方や森の解説をします。
春、すぐそこに?
先日、全国各地で気温が20℃を超え、一気に暖かくなりました。
場所によっては25℃以上を記録した所もあったようで、テレビに映る気象予報士さんの口からは、早くも「夏日」という言葉が聞こえてきました。
足寄町でも日中は0℃を上回るようになり,ようやく厳しい冬を抜けたように思えます。
雪と氷で狭くなっていた川幅も、暖かくなったことで元の幅に戻っていました。
川幅が「狭い」というか、川が「無い」…。 |
最近は氷が無くなり、地表も見えてきています。 |
この時期の川沿いには、暖かくなって顔を出した、ヤナギの花芽がよく見られます。
遠目だと枝先についた雪のようにも見えますが |
近づいてみると、ふわふわの毛がたくさん |
ヤナギ属は早春に花を咲かせます。このフワフワの先にも、やがては黄色い葯や柱頭が形成されることでしょう。
どうやら春は、もうすぐそこまで迫っているようです。
個体全体の枝を眺めてみると、まだ芽鱗に覆われているものもありました。 |
こちらは芽鱗の帽子を脱いでいる途中 |
フワフワ、見ていると癒されます。 |
北海道はヤナギ属の分布種数が多く、さらにヤナギ属は雑種を生じやすいと言われているので、悲しいことに、冬芽や花芽だけでは自信をもって画像の個体の同定ができていません…。
とてもとても悔しいので、花が咲き、葉も出始めたころ、もう一度同定に挑戦してみようと思います。
2022.03.23 fujiyama
構内の看板
北海道演習林の事務所構内には木製の看板を多数設置しています。そのうち一つの看板について,この度老朽化のため安全性を考慮して撤去することになりました。
撤去予定の看板 |
この看板は高さ2メートル,横幅3メートル程で北海道演習林の事務所構内では一番の大きさがありました。少し調べたところ設置した年は1999年で九州大学北海道演習林創設50周年の際に作製され,以後23年にわたり据え置かれていたことになります。
設置当時と思われます。まだ新しいです | |
撤去後 |
看板につけられていた銘板は庁舎の玄関に飾りました。樹形のマークなど意匠を凝らしています。
その他の看板たちは現役で活躍中です。今回撤去した看板と同じくこれからも長く保ち続けて続けてほしいものです。
事務所玄関先 |