9月から10月にかけて足寄町に所在する小学校・中学校・高校を対象とした林業体験が行われました。社会連携事業の一環で行われており、九州大学北海道演習林を知ってもらう事、足寄町の基幹産業の一つである林業に触れてもらう事が目的です。
まずは足寄小学校です。今年度は新しい試みとして「樹幹解析」の実践を行いました。12mほどの切り倒したカラマツの長さを測り、1mごとに円板を採取しました。各円板から年輪の数を数えて木の成長過程が推定できます。
木材の長さを測定 |
丸太から円板を採取 |
樹幹解析の方法とは・・・ |
丸太を切る作業は子ども達に人気の活動の一つです。今回も一生懸命にノコギリを使って取り組んでいました。解析用と別にお土産まで持って帰る子がいました。樹幹解析はうまくできたかな?
次に足寄中学校の林業体験では、木の葉を見て木の種類を見分ける方法を学びました。葉をよく見て特徴を捉えることが大事です。山を歩きながら、図鑑と見比べて相談していました。
さらに、北海道で多く植栽されているアカエゾマツの2m枝打作業を体験してもらいました。おおよそ2mの高さの枝をのこぎりを使い、切り落とす作業になります。刃物を使うため、安全上の注意点や作業を行う方法を説明したあと、アカエゾマツが植栽された山の斜面を登ってもらいました。
枝打の効果や安全な作業について説明 |
低い部分の枝も丁寧に |
急な斜面でも丁寧に |
足場が悪い中での気を使う作業ですが、前のめりで作業をしてくれました。徐々に作業手順やノコギリの使い方が上手になる様子が見て取れました。作業の大変さも伝わったでしょうか。車いすの生徒がおり、全て同じ事は出来ませんでしたが、枝打作業も体験してもらえました。
そして、足寄高校は、中学校と同じように木の見分け方を学び、トドマツの除伐と4m枝打作業の体験を行いました。木の見分け方では、班ごとに相談したり、案内した教員に質問をしながら学んでいました。
除伐では人工林の中で成長が良くないトドマツを伐倒し、片付けまで行いました。4m枝打は高枝ノコを使い、約4mの高さまで枝を切り落とします。
作業の方法と注意点の説明 |
水平に切り口を入れるのが難しい |
高枝鋸で4mまで枝を切ります |
伐倒の時には、周りの枝を鳴らしながら倒れる音に歓声が上がっていました。中学校で一度演習林に来ている生徒さんが多く、ノコギリを上手に使っていました。4m枝打で使用する高枝ノコは初めての子ばかりでしたが、器用に使う子もいて驚きました。
森林を観察する事や森林で作業する事に興味を持ってくれると幸いです。
2023/11/02 yamauchi